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2024.09.11  

サーフボードの加速の重要性

今回は加速について記事を書いていきたいと思います。

(あくまで個人的な考えです。)

”加速”はターンやアクションの精度を上げる上で重要な要素です。

加速できていない状態でターンやアクションをすると、レールが入りすぎてズルズルと失速してワイプアウトしてしまいます。

もちろんキレもありません。スピードが出ている状態だからこそ、ボードがドライブしてバランスし、安定感をもたらします。

その結果レールを入れてターンしても失速せずにカーブします。

自転車に乗っていて、スピードに乗っていない状態で傾けるとすぐに転んでしまいます。

逆に、加速している状態で傾けるとGを感じてギュイーンと加速しながら曲がっていきます。

これに近い感覚です。

 

サーフボードが波の上で加速する理由は、いくつかの要素が組み合わさって作用するためです。

その中でも特に重要だと思うことが、プレーニング、揚力、コンケーブ、ロッカー、そして波のパワーゾーンをどれだけ理解しているかです。

これらの要素を理解することで、ボードの性能やスピードを最大限に引き出し、理想のラインを描くことが可能になります。

1  プレーニングと揚力

まず「プレーニング」とは、サーフボードが水面上を滑走する現象のことです。ボードが波の力を受けて一定のスピードを超えると、ボードは水中ではなく水面上を滑るようになり、これが「プレーニング」と呼ばれます。”ハイドロプレーニング現象”という言葉をお聞きしたことはないでしょうか?濡れている路面などでスピードを出し過ぎると、タイヤが浮遊したような状態になること。(操作性を失い非常に危険です)これと意味は同じです。

この時に揚力が発生し、ボードはさらにスピードを増します。揚力は、サーフボードが波の上を滑走する際に、ボードを持ち上げる力であり、水中での抵抗を減らすことで加速を助けます。サーフボードのボトムの接水面積により、揚力の度合いが変わります。大きいロングボードなどの方が、より揚力が発生します。

 

2 コンケーブと水の流れ

ボトムの形状も、加速に大きく影響を与える要素の一つです。コンケーブのデザインが重要な役割を果たします。コンケーブは、水の流れをボードの中央に集中させることで揚力を生み出し、スピードを増幅します。このデザインにより、水がボードの下を効率的に流れるようになり、抵抗が少なくなります。シングルコンケーブは直線的なスピードを生み出し、ダブルコンケーブはより複雑な水の流れを利用して、ターン時や加速の効率を高め、操作性を向上させます。

 

3 ロッカーの影響

「ロッカー」とは、サーフボードの前後のカーブ(反り)を指します。このカーブが波に対するボードの反応性や、ボードのスピードにどのように影響するかを決定します。ロッカーが少ない(つまり、ボードがフラットに近い)場合、よりスピードが出やすいですが、波のフェイスにフィットする力が弱くなり、ターンの精度が下がる可能性があります。一方、ロッカーが強い(つまり、ボードのカーブが大きい)と、ターンが容易で波のポケットにしっかりフィットしますが、フラットなセクションでのスピードが落ちやすくなります。ロッカーは、乗り手の技術や乗る波のタイプによって調整されるべきファクターです。掘れてる大きい波などでは、よりロッカーが必要になります。基本的にロッカーデザインは、シェイパーのモデルコンセプトやイメージに合わせて設計されています。

4 波のパワーゾーンを理解する

波のパワーゾーンは、波が最もエネルギーを持つ部分のことを指します。ライディング中にこのパワーゾーンをうまく捉えることで、ボードは自然と加速します。パワーゾーンは通常、波のトップやカールしている部分にあり、このエリアにボードを導くことで波の力を最大限に引き出すことができます。言葉では簡単ですがこれが意外に難しく、初心者や中級者はこのエリアから外れてしまうことが多く(走りすぎ)、その結果スピードを失います。一方で上級者は波のパワーゾーンをしっかりと捉え、スムーズにターンしながら失速することなく、波のエネルギーを常にボードに伝え続けることができます。パワーゾーンをキープすることで波を長く乗り繋ぐことも可能になり、ライディング中は誰しもが意識するべき重要な要素です。こればかりは、経験を積んで感覚を研ぎ澄ましていくしかありません。波を理解することも重要です(波のメカニズムについてはまた別の機会でお話しします)。このように、パワーゾーンはボードを加速するためにキープするべき波のパワースポットです。

 

海に入る前に上級者のライディングや波のブレイクをよく見て、ラインをイメージしてください。

するとその時のブレイクの癖や、パワーゾーンが見えてきます。

どういうラインで乗った方がいい波なのかもイメージできるので、海に入ると余裕がまだない方はぜひ試してみてください。

 

サーフィンは、単に波に乗るだけでなく、波とボードの力を最大限に引き出すことで、ライディングが安定し長く波に乗る事ができます。ボードが最大限に加速するスタンスを考えてみること、コンケーブやロッカーの特性を知ることでサーフボードがどのように機能するかを理解すること。また、波のパワーゾーンを常に意識することで、より加速しイメージ通りのライディングに近づける事ができます。

少し意識をしてみるだけで、色々な要素が関係しているのがよくわかります。

少しでも参考になれば嬉しいです。

 

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